徒然と、思うが侭に小説を書くサイト。
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「ボク一人で、ティガレックスもアカムトルムも倒したことがあるんだニャ! すごいニャ? すごいニャ?」
『凄すぎですよー! そんな怖そうな名前のモンスターを一人で倒しちゃうなんて!」 「へへんっ、だニャ」 自慢そうに鼻を鳴らし、ナズナの隣を歩いているネコの名前は、オタマ。 片方がドングリのような形をした木槌を肩に乗せ、これまたドングリをくりぬいたような鎧を着た、恰幅の良いネコである。 アイルー科アイルー目。メガネのようなぶちが顔にあるのが特徴だ。 「ちなみに、ボクが本気を出せばエスピナスもリオレウスもイチコロだニャ!」 『うわーっ! うわーっ!』 オタマの武勇伝に、目をキラキラさせっぱなしのナズナ。 実は、名前を言われても全然想像できていなかったりするのだが、 村から出たことのない彼女にはすべてが新鮮なのである。 寛大な心で許してあげよう。 『じゃあじゃあ、ちょっとお願いがあるんですけど、いいですかネコさん?』 「ニャ、なんでも言ってみるニャ。ちなみにオタマニャ」 『ネコさんに、この先の村まで一緒に来て欲しいんですよー。一人じゃ心細くって』 「この先って、どこまでニャ? だからオタマニャ」 『ユングって名前の村までです。大きな木が目印らしいんですけど』 今まで笑顔で受け答えしてたネコは、そのままの顔で凍ったように固まった。 そのうちに全身から滝のような汗が噴出し、そこだけ局地地震が起きたようにブルブルと震えだす。 「あ、あ、あそこに行くのかニャ!?」 『えぇ、そうなんですけど・・・どうかしたんですか?』 「やめるニャ! あそこは危険だニャ! 行くと死ぬニャ!」 頭上にハテナマークを浮かべるナズナをよそに、ニャーニャーと騒ぐネコ。 どうやら彼には、寛大な心は持ち合わせていなかったようである。残念! 『でも、そこに行かないとご飯もお布団も何もないし、本当の両親さえ見つからない・・・』 「うニャ・・・」 うなだれる人間の少女の様子にたじろぐアイルー。 今にも泣き出しそうな顔を下から見上げ、何度も逡巡した結果。 「しょ、しょうがないニャ・・・一緒に付いてってやるニャ! でもこれっきりニャよ!」 『あ・・・ありがとうネコさん!』 「オタマニャ!」 一人と一匹の物語は、まだまだ続く。 PR |
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緋山夏輝(HN)
年齢:
39
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男性
誕生日:
1985/01/18
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好きなもの:いろいろ
嫌いなもの:いっぱい 週に数回は更新できるよう頑張ります!(ぺこり
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